『脈脈』
静かな鼓動
キノコのヒダ
水たまりの雨粒
ひび割れた木の皮
小さな連なり
無数の胞子
重なる波紋
生き物を抱く山々
すぐ側にある小さな存在の数々は
繰り返す営みの中
壮大な世界に繋がっている
羊毛フェルトと布を融合させて仕上げたキノコ。それはモノクロームで、淡々とした記録のようにも映る。さまざまなものの力を利用し、動けずとも生き抜くキノコのたくましさや柔軟さに魅せられ、同じ生きるものとして、生命力や繋がりについて問い続ける。
「個を感じる“脈”。“脈”が繋がると個以上のものになり、空間も時間もみるみる広がっていく」と、彌さんがタイトルに込めた今展。新年の始まりに。
数年前、男性のオシャレ観から学ぶ「男前展」で個性を発揮してくださったAnticoのダニエレ氏が久しぶりに貴重なアンティーク小物を紹介してくださいます。シルバーケース、カフスなど装飾が美しいものばかり。ステッキについては語らせたら止まらない?ダニエレ氏の審美眼が頼もしい4日間だけのイベントです。
今回はアンティークリング、香水瓶、裁縫道具、レースなど古き良き時代のご婦人がたに大切にされてきた小物も並びます。イギリスの1880年のシャトレーン(ポケットがない時代に時計や鍵などを携帯するために下げていた装身具)の美しさにはため息が出ます。お楽しみに。