掛井五郎さん

今年87歳になる掛井五郎さんの展覧会『はりがね』が終わりました。ワッツで3回目でした。  純粋さ、愚かさ、滑稽さ、力強さ……五郎さんは、神に生かされ、喜びと苦悩の中、人生を営む人間を表現し続けていらっしゃいます。素材がブロンズになろうが、土になろうが、はりがねであろうが、人が生きるという模索がそこに表れているのです。「僕ほど具象の人はいない」と、誰のまねでもなく、自分が心で感じた「生」を毅然と作り続けている。目の前にある作品は、全て五郎さんそのものなのだ感じます。ここまで純粋に、厳しく、真摯に「生」と「自分」に向き合い続ける五郎さんに尊敬の思いです。