ジュエリーは身に着ける造形。
一か所にとどまらず、人とともに動くアート。目に留まった誰かが受けとめる印象は多種多様で面白い。
中でも小倉理都子さんによるダンボールジュエリーはその最たるものだ。
断面や折り重なる層の美しさを素材の中に見出し、手技と感性がみごとにアートジュエリーとしてその存在を確立させた。美しさともに、素材を通して社会への関心も静かに投げかけている。海外でも評価が高く、彼女の作品を所蔵する美術館は多い。
「人はなぜジュエリーを身につけるのか」を問いながら、さまざまな素材にも積極的に取り組む一方で、「完全に自分の素材になった」という段ボール。
段ボールジュエリーで初めて発表したワッツでの個展から15年。
理都子さんを代表するこの素材との対話が聴こえてくる展になることだろう。
黒、刻と
創り続けて、縫い続けてきて20年以上になろうとしている。ふとした偶然から、見よう見まねで使い始めた。sewing machineの機会。
糸色を選び、巻き、ひたすら自由に布を這い求めた。何時間、何kmを縫い走ってきただろうか?
創り飽きない、このディテールの闇。
今回は原点に帰り、黒を基調に一点もののコスチュームやアートバッグ等を展示販売いたします。
黒々と。刻々と。 by成田久
マツバラリエさんが手掛けるコルクのヒトガタ。一見かわいらしい印象を受けるが、それだけでなくじわじわとその存在感が語り掛けてくる。
軽く弾力性があり、儚いけれどどこか力強さがあるコルクに惹かれたのが始まりで。2005年ワッツでの個展以来、14年に渡りリエさんはこの人型を世に送り出してきた。
刃物が入りにくく、もろい素材との葛藤は「なぜ、自分はこれでヒトガタを作り続けるのだろう」と自問自答を繰り返す。あるひ、ヒトガタを測ってみたらぴったり21gだったという。
アメリカの医師ダンカン・マクドゥーガル(1866-1921)によると、この21gという重さは人間の「魂」の重さ。
コルク作品を始める前からリエさんの描くイラストや本は、いつも深いまなざしで、人を見つめる彼女の精神性が表れている。
「目に見えない『魂』という存在を具象化して、しかも手に取って鑑賞できるというのは面白い表現ではないか」……リエさんの中で素材とテーマがストンと腑に落ちた。
「手紬糸を草木で染め織る仕事を40 年余り続けてきました。野趣がある風合い、植物から抽きだした透明感のある色、洗練されたデザインが特徴の現代感覚の紬です。着物や帯を中心にショール、草木染帯揚、角帯、袱紗などもご覧下さい」(中野みどり)
11 /21( wed) 14:30 - 15:30 ギャラリートーク
「糸や草木の色、紬についての話、取合せの愉しみ方などについてお話します。着物に馴染みのない方も是非お聴き下さい」
詳細は下記リンクをご覧ください。
http://nakanomidori.katachi21.com/news
肌触りの良いシルク。
染色家のノリコさんが手による色遊び。
アクセントを楽しむ+アルファの服らしきものたち。
ワークショップ中のステキな映像をクリエーターの末吉理さんが作ってくれました!
◎第一部
https://vimeo.com/576692933/e18b0fafec
アトリエtentento鹿又広祐さんのWSは、こどもたち自身が自分で描ける最大限の丸を描き、さらに次々描いた丸に顔を作るというもの。
「あ〜っ」と声を出しながら丸を描いたり、もちろん伝えた通りなんかにならなくて、自由奔放な出来上がり。でもそれらは紛れなくその子らしさが滲み出ていました。
彫刻家西浦裕太さんは、クラシック曲のカルメンをみんなで聴いて、そこから想像した景色やシーンをそれぞれが描くというもの。
すぐ描いちゃう子や、なかなか進まない子もいるけれど、最終的には自分の中から導き出した風景が表れて、同じ曲を聴いてもみんな違って実にユニーク。
将来、カルメンを耳にしたとき、体験した自由さ、人と違っても全然オッケーということをふわっと思い出してくれたらいいなあ。
小さなアーティストプロジェクトに賛同してくださった
土器典美さんが快く場所を提供してくださり、現代アートのギャラリーDEE'S
HALLで。天井高く開放的でお庭まである空間で子どもたちものびのび!典美さんが見守る姿があつよさんみたい、笑
でも確かにワークショップ中も、あつよさんがいました。
小さなアーティスト展がとっても厚みを増していて、感謝と感激です。