Exhibition (2022.8)


加藤亮×横山玄太郎 『Life』

2022.8/3(wed)-9(tue) *終了しました*

彫刻家 加藤亮と陶芸家 横山玄太郎。互いの感性をリスペクトし合う二人による"生活感のない生活雑貨"を示す展覧会。

"用途がありそうだがどのように使うのかわからないもの""本来の用途が別の用途に置き換わっているもの""脈絡なく用途が与えられたもの""用途が失われたもの"が混ざり合い『生活・生きる』場を形成します。

加藤亮プロフィール

神奈川県横須賀市在住。武蔵野美術大学彫刻学科卒業後、彫刻を用いたインスタレーションを制作する。近年では、展示する場所に既にある家具等を別の事柄を加え再構築し、日常と物語が交差する制作を展開している。また、船舶用品や園芸用品など既に用途がある物を別の用途に置き換えた家具や雑貨も制作している。

横山玄太郎プロフィール

15歳でアメリカ・バーモント州に留学。高校在学中に陶芸を始め、卒業後はハートフォード美術大学に進学、陶芸を専攻。

帰国後、2004年に東京、門前仲町でアトリエ“Gentceramics”を構えて制作活動を開始する。

常に新しい試みをする制作スタイルで、作品の技法や素材、コンセプトは頻繁に変化し、時には粘土以外の素材も焼成して制作。

銀座三越をはじめ国内外のギャラリーで作品を発表。森英恵や漫画”へうげもの”の企画展などにも参加する。

2018年からは茶の湯を表現する”THE TEA ROOM”に加わりかつてない茶会を

プロデュースする。


「2人の仕事 活用と評価」  多摩美術大学名誉教授 中村錦平

 

僕は東京焼窯元を自称する作り手だ。作る一方、どうした空間/道具で生活するかにこだわってきた。07年頃、みなとみらいに一室を持てたのだが、当展の2人の仕事を活用させて貰った。

 加藤亮は従来の彫刻の概念を超えて作る。「モノ(造形物)とコト」「モノと空間」の関係を核に、同時代の感性で切込んでくる。時代の材料・樹脂の活用が巧い。

 当部屋は海に向かって総ガラスで開いている。それを挟む片側の壁全体に彼の個展でみつけた作品を活用させて貰った。それはさざ波の凹凸のせめぎ合う一瞬を、樹脂で造形化したかにも見てとれる。主色は緑。三角帽を被った1人の子供が青の点々で描かれてもいて、諧謔もある。受ける刻々の光で驚くほど多様に変わる。この壁の働きを空間構成に活用していたくて、もう一方の全壁に鏡板を対峙させた。そしてこの2面が映りあって成る空間に次の2種、銀色亜鉛鍍金の鉄板製の床柵に、Φ50cmはある超高圧用碍子を叩き割ったオブジェと、2mはある白大理石の楕円型天板のテーブルとを設えた。

 この白大理石板上で、横山玄太郎の抹茶碗、時にコーヒー碗を使う。アート性をもたせたこの空間に面白く呼応する。

 茶碗は7角の面取り、鮮やかなオレンジ色に大ぶり緑色の水玉が内外に。「わびさびの価値観」に完全に決別している。コーヒー碗は一対を入れ子状に重ねて客に出す。

活用時2つに分けると正否2種の台形が現れる。ハンドル無し。代わりに胴に太い彫り込みをまわす。「円筒型にハンドル」の西欧発近代機能主義からの離脱を計る。

 「近代」となると、「用と美」が陶芸/工芸で説かれた。「情報化」の今、彼は美にかえユーモア、エロス、パロディで迫ってくる。

 なお2人は来る8月の計画を次のように書いてよこした。彼らにして可能な、期待させる案だ。楽しめますよ、皆さん。       


Yutaka Yamamoto Photo Exhibition

2022.8/11(the)-19(fri) *終了しました*

*作家は全日在廊

パリ在住のフォトグラファー、山本豊氏による卵をテーマにした写真展。

パリに引き続き、日本での発表となります。


森本真由展

2022.8/22(mon)-27(sat) *終了しました*

時を経たアンティークの極小のビーズをひと針ひと針すすめながら作り出すジュエリー。繊細な光の粒が品性を感じさせます。